「或る列車」の味を作り出す試作現場へ潜入

2019.8.23
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「或る列車」は長崎~佐世保、大分~日田間の2コースを運行する。
このコースをゆっくり2~3時間かけて、三つ星レストランシェフ・成澤さんが監修する完成度の高いお弁当、スープ、4皿のスイーツを提供するのだ。infiltration_01_6597infiltration_01_6639infiltration_01_6668infiltration_01_6692infiltration_01_6717
その試作現場はどうなっているのかしら? 試作しているテストキッチンに特別に潜入させていただいた。

テストキッチン

テストキッチンは、佐世保市にある。Infiltration_01_6429
毎月変わるメニューのために、月に一度、NARISAWAからシェフとパティシエが来て、ハウステンボスホテルオークラの料理人たちに試作指導をする。それを実際に作り、列車内で盛りつけをするのはハウステンボスホテルオークラのシェフ、パティシエたちだから。なんて贅沢なメンバー!
試作当日の朝、厨房スタッフやパティシエの人たち約10名、客室乗務員の女性たちとテストキッチンで待機していると、黒いウェアのシェフとパティシエがさっそうと登場した。レシピは事前に送られているので、スタッフたちはすでに下準備をしている。それをまずチェックするところから作業は始まる。緊張感が走る。これは試作の間中ずっとそうだった。infiltration_01_6466infiltration_01_6468

試作スタート

さっそく翌月の5月用の試作がスタートした。食事はNARISAWA弁当とスープ。NARISAWA弁当は、前菜、メイン、ごはんの3種で構成され、5月は「青空」というタイトルだった。
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前菜は、佐賀県みつせ鶏と熊本産車エビ、ナスとキュウリの柑橘サラダ。Infiltration_01_6448Infiltration_01_6459infiltration_01_6566
メインは鹿児島産豚の角煮。
ごはんは、長崎県産米の炊き込みごはんと宮崎産美々鯵と佐賀県自然薯のゴマだれ風味。「大地」スープと名づけられたのは、大閤ごぼうのポタージュだ。料理担当のシェフは、下ごしらえを確認して豚の角煮の仕上げにかかる。「焼き色がつくくらいしっかり焼いて」とポイントを説明しながら手際よく進めていく。infiltration_01_6534
角煮に香ばしい焼き色をつけるとワンランク味がアップするのだ。infiltration_01_6558infiltration_01_6565
弁当はとてもバランスよくて美味しそう!

魅惑のスイーツ

パティシエが次々にスイーツを作っていく。プロセスを一つでも見逃すまいと真剣な目が手元を見守る中、「若葉の匂い」というもち米で作ったジェラートによもぎのジュレとスナック、葛ソースのカクテルスウィーツが仕上がる。Infiltration_01_6462infiltration_01_6619
「この別府の高崎山のよもぎは本当に緑がきれいに出る」とパティシエ。ガラスのスープ皿に盛りつけられたのは「鮮やかな」と呼ぶ、柑橘のゼリー、ソース、シャーベットにメレンゲとヨーグルトのエスプーマ。柑橘のさわやかさと色味がとてもきれいな一品だ。infiltration_01_6482infiltration_01_6649infiltration_01_6651infiltration_01_6659infiltration_01_6664
メインスウィーツは「新茶」、福岡県八女抹茶のケーキで、抹茶のスポンジ、クリーム、ムース、ソースと小豆で作ったもの。抹茶の香りと味わいとテクスチャーの違いがマッチして素晴らしい!Infiltration_01_6414infiltration_01_6603infiltration_01_6679infiltration_01_6695
「煌き」という最後の小菓子、ミニャルディーズinfiltration_01_6711
は取材に行った池上農園のイチゴとメープルのタルトレット、Infiltration_01_6426
鹿児島産黒糖&ゴマのロールケーキ、大分県のバラとフランボワーズのゼリーだ。
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鹿児島県喜界島の黒糖と希少なゴマを使ったロールケーキはなんと厚さ4ミリの薄い生地を巻いて作る。すでに焼けていたスポンジを見るとゴマだらけですごいと思ったが、
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そのゴマをもっと香ばしく炒って入れる方がいいと焼き直した。細かなところの積み重ねが完成度を高めるのだと、見ていて納得する。

オーガニックな食材と丁寧な作り

スタッフの人たちは、メモを書き続け、写真を撮りまくる。試作と寸分違わずに再現するので、盛りつけたアスパラの長さや肉のサイズをすべて測る。Infiltration_01_6447
また、客室乗務員さんは、素材や作り方などお客様に聞かれた時にきちんと対応できるようメモをとり、質問する。この手間ヒマかけた丁寧な作り方が最高の美味しさと最高のおもてなしを創り出す。
また、使う食材へのこだわりも半端ない。Infiltration_01_6413
成澤シェフは「或る列車」運行前約1年にわたって、九州内の食材の生産者さんを回った。安全で美味しいというコンセプトの元で厳選したそうである。選べばいいというわけではない。セレクトしたオーガニック食材を扱うのも大変だ。収穫時期は一定しないことが多いし、いたみやすい。サイズや形を揃えるのも難しい。「或る列車」でのメニューは1ヶ月同じと決まっているので、食材の調達にも並々ならぬ苦労があるのだ。Infiltration_01_0167infiltration_01_9886

そんな苦労をみじんも感じさせず、エレガントな「或る列車」は今日も気分のよい汽車旅へ皆さんをいざなう。ぜひ、乗車してみてください。忘れられない旅になりますから!
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JR九州 或る列車ツアーデスク

Tel.092-289-1537

営業時間:9:30〜16:00(水曜日休業)