赤いダイヤ、無農薬あまおう
池上農園 ~生産者さんを訪ねる その9~

2019.11.5

池上農園へ

福岡県にある池上農園は、いちご作り45年という老舗である。producer_09_5708
若き現当主の池上光さんは、3代目だ。「母の祖母があまおうの苗を植え始めたんです。で、おばあさんの時代からいちご農家です。うちは苗作りからやっているからいいいちごが育つんですよね」
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取材に伺ったのは春まっただなかなのに、ハウスの中は暑くてうっすら汗をかく。池上さんは途中から半袖になった。
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いちごは盛りの時は朝4時から11時ごろまでに収穫する。それ以降の時間になると果実が柔らかくなって傷がつきやすくなるそうだ。それから選果して出荷してと、夕方まで大忙しの日々が続く。
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「個人販売なので、味にこだわります。肥料と水さえあげればいいというものではなく、ストレスのないように面倒を見てあげることが大事」その細やかな手間が美味しいいちごを作るのだ。

甘みと酸味のバランスがいい!

完熟したいちごを、どうぞとすすめてくださった。
真っ赤ないちごは、それ自体が宝石のようにキラキラ光って見るからに美味しそう。一粒いただくと、甘みと酸味のバランスが絶妙だ。美味しさに手が止まらず、バスケットいっぱいをあっという間に完食してしまった。producer_09_5722
「甘いだけだと食べ続けられないんですよ。うちのあまおうは甘み、酸味が両方ともしっかりあるから美味しいんです」
1パック270g、最盛期には1日1300パックを収穫することもある。
摘んだいちごを選果して、パック詰めするのはパートの熟練した女性たち。
次々に大きさを選別し、パックにきれいに詰めていく。そのスピードは実に早くてすごいなと見惚れる。
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ついでに私たちがいちごを選ぶときのポイントを教えていただいた。「ヘタがそり返っているものが新鮮です。また、果実についているタネは黒っぽい方が熟していて美味しいですよ」とのことだ。今度からきちんと見て選びたいと思う。
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いちごを育てる喜び

いちごを育てる上でのやりがいは?
「豊作だともちろんうれしいです。あと、個人販売なので、美味しかったとお客様からおほめの手紙などをいただくとやりがいありますね」producer_09_5813
11月のなり始めから、4月の収穫終了までノンストップないちご栽培は本当に大変だ。でも手間暇をかけた分、収穫量が上がり、収益が増えるのも喜び。昨秋、池上さんは結婚した。奥さんの実家では池上さんのいちごを食べたら、スーパーでいちごが買えなくなったそう。「僕は奥さんの親戚の人たちから、いちごの人って呼ばれています」こんなに美味しいいちごを作る旦那さんがいたらさぞ幸せでしょう。producer_09_5736
「或る列車」4月は長崎〜佐世保間のコースで、池上さんのいちごはメインデザートの「いちごとココナッツのガトー仕立て」で使われていた。いちごのムース、ヨーグルトソース、ココナッツ風味のクリームでガトー仕立てにしたもの。
トッピングされたいちごは甘みも酸味もしっかりあり、美しくて美味しかった。
来春、池上農園のいちごをぜひ「或る列車」で味わってください。
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或る列車・36ぷらす3 お問合せ窓口

Tel.092-474-2217

営業時間:9:30〜17:00(火曜日・年末年始休業)