限りなく地球にやさしい塩をめざして・・・親子の挑戦と夢

雲仙エコロ塩(長崎県)

料理に欠かせない調味料のひとつである塩。提供元は、長崎県・小浜地区で親子二人三脚で製塩業を営む「雲仙エコロ塩株式会社」です。

約370年の伝統を誇る小浜温泉には、海岸の近くで105℃という非常に高温の温泉が湧出しており、湯量も豊富。かつては、全国随一の高温泉という地の利を活かした製塩業が盛んな場所でもありました。戦時中は全国製塩量の2%にあたる約1万トンを生産するほどでしたが、戦後、温泉の乱掘や海外からの安価な塩の輸入により小浜の塩づくりは衰退し、姿を消してしまったのです。

その小浜の地で“もう一度”、製塩事業に取り組んでいるのが「雲仙エコロ塩」の木村さん親子。父・建洋さんは元寿司職人、息子・広大さんは自衛隊員から魚屋、郵便局員を経験した異色の経歴の持ち主です。

建洋さんが塩づくりに憧れ、60歳で寿司屋をたたみ、家族の反対を受けながら塩づくりに励むのを見ていた広大さん。ためしに一般的な塩の作り方を調べてみたところ、従来の製塩方法は残念ながら「環境破壊」に直結してしまっていることを知ります。例えば、日本で出回っている塩のほとんどは、外国の塩田で作られた「天日塩」を溶解し煮詰めて精製されたものですが、この精製過程では、時間短縮のために燃料(薪や重油)を燃やしてかん水を煮詰める方法が一般的であるため、結果として森林破壊やCO2排出という問題を引き起こすことになるのです。そこで木村さん親子は、「食塩は生産過程でのCO2排出量が極めて多い食品である」という事実から目を背けず、環境に優しい塩づくりを模索し、かつてのような温泉熱を利用した製塩法を採用。効率的かつCO2の排出をできる限り減らし、添加物ももちろん加えない「エコロ塩」の生産に取り組んでいます。

「雲仙エコロ塩」では、温泉水だけでなく小浜町の隣にある千々石(ちぢわ)町の海水も原料に使っています。この海水は、雲仙地方のシンボルである普賢岳の伏流水でもあり、年間を通して水温が一定で、この地域でとれる魚介類の運搬にも使われているきれいな海水です。料亭やお菓子屋などからの要望に合わせ、この海水と温泉水をブレンドして塩を作っています。「或る列車」で使われているのは、温泉水のみを使用したミネラル豊富な「小浜温泉スイーツソルト」。環境にも人にも優しい食品作りに励む2人の思いも乗せて、「或る列車」は走ります。

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