注目エリアの糸島発、ほっこりと心なごむ器たち
風唄窯(福岡県)

福岡県糸島市は、自然豊かなロケーションに洗練されたカフェやショップが集まる、いま話題のエリア。「風唄窯」は、その糸島の地に2007年から工房を構えています。代表の内田秀明さんの手がける、土のぬくもりを伝えるモダンな作風が人気です。
内田さんと成澤シェフとの出会いは2012年。TV料理番組の取材で、食材を探しに糸島を訪れた成澤シェフが「糸島応援プラザ」で内田さんの作品を見て、「工房を紹介してほしい」とスタッフにお願いし、すぐに「風唄窯」を訪れたのかきっかけでした。
「最初にご覧いただいたのは、『遺跡風シリーズ』と呼ぶ焼き締めの器だったのですが、工房では『ホーローシリーズ』という作品に目を止められ、その本体の色を気に入ってくださいました。そのご縁で、今回の『或る列車』の平皿、湯呑み、急須が誕生しました。白い釉をかけた陶器は、磁気にはないあたたかみのある白を表現出来るので、その質感をお楽しみいただければ嬉しいです」
もともとものづくりへの思いはあったものの、20代の頃は一般企業に勤めるサラリーマンだった内田さん。同僚の誘いで一緒に体験陶芸に行ったことを機に、一気に才能が開花し、29歳で陶芸の道へ転身したというユニークな経歴の持ち主です。その自由さ、気負わずに自然のまま、感性のままに作品を手がける姿勢は、そのまま糸島の空気を表現しているようで、ほのぼのと心地よい――まさに“風の唄”を感じる作風になごみます。



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