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江戸期のロマンを今に伝える「長崎ガラス」

瑠璃庵(長崎県)

アイスコーヒーやジュースのタンブラーと、ワイングラス、シャンパングラス、そして、デザートがのるガラス皿は、長崎県・大浦天主堂近くに工房を構える「瑠璃庵」製。江戸期から長崎に伝わる「宙吹きガラス」の手法を今も守りつつ、新しい感性にあふれる作品を発表し続ける「現代のびいどろ吹き達」のアトリエです。

主宰する竹田克人さんは、大浦天主堂のステンドグラス修復にも関わる現代のマエストロ。「宙吹きガラス」という、完全ハンドメイドのスローな製法にこだわり、作品づくりを続けています。

「長崎に残る記録によれば、1670年代には『びいどろ吹き』が長崎に存在していたとのこと。そんな悠久の歴史ある『長崎ガラス』を後世に残すべく、原料の調合、デザイン、製作まで、納得できるものを目指して日々創作に励んでいます。『長崎ガラス』は青や赤などのカラフルな色合いの作品が多いことでも知られますが、今回の『或る列車』の器はすべてクリア(無色)。クリアはごまかしがきかない色なので作るのは大変ですが、手作りの透明ガラスの魅力が伝わるよう、ひとつひとつ愛情を込めて作っています」(竹田さん)

帽子のような形のデザート皿は、大きめの泡(気泡)入りの手法で作られ、上からライトがあたるとその模様がテーブルクロスに映り、なんとも華やか。一方、シャンパングラスは動く車内でも安定するようにと、ステム(脚)部分が短く設計されています。デザイン性と実用性を兼ね備えた、美しき手作りのグラスウエアの数々が、旅の愉しみを深めてくれます。

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