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地元の自然の恵みあふれる“真実の地酒造り”

瑞穂菊酒造(福岡県)

「瑞穂菊酒造」は、福岡県・飯塚に蔵を構える創業約150年の醸造元。山と川に挟まれた自然豊かな土地で、日本酒造りに励んでいます。

代表取締役と杜氏を兼任する小野山洋平さんは、昭和63年、大学を卒業後まっすぐ地元に戻り、お店を継いでいます。はじめは「これまでお店の手伝いはしてきたが自分に杜氏が務まるのか?こだわりのお酒を造れるのか?」と思い悩む日が続きましたが、そこで指針となったのは酒蔵の近くでアイガモ農法に取り組む古野隆雄さんとの出会いでした。古野さんは、農薬や化学肥料に頼ることなく稲作・野菜作り・畜産を手がける人物。古野さんは小野山さんに「うちの田んぼで、ご飯とおかずをつくっています。今度は、晩酌をつくれないでしょうか?」と声をかけたといいます。その発想に惹かれた小野山さんは、そのお米で瑞穂菊の方向性を創っていこうと決意したのでした。

こうして瑞穂菊酒造の看板商品となったのが、古野さんのお米を使った純米酒「一鳥万宝(いっちょうまんぽう)」。この銘柄は「田んぼのアイガモが雑草や害虫を食べ、糞が肥料となる。アイガモそのものは食肉にもなり、稲もアイガモに刺激され元気に育つ。アイガモが『一石二鳥』といわず万の宝を生み出す」ということから名付けられました。

平成27年9月に行われた第4回福岡県酒類鑑評会では、この「一鳥万宝」が純米吟醸酒・純米酒の部で4年連続金賞を受賞し、さらなる注目を集めています。地元の米を使い、地元の自然の恵みを受けた、まさに“正真正銘の地酒造り”がたしかに認められているのです。

「或る列車」では、このお酒や酒粕を贅沢にも食材の調味に使用します。小野山さんの地酒造りへの思いが、こだわりの食材により一層深みを与えることでしょう。豊かな自然とアイガモのパワー、そしてひたむきな職人が生み出す味わいを、ぜひ車内でご堪能ください。

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