月と太陽との対話から生まれる、ロマンあふれるフルーツの数々

にしだ果樹園(熊本県)

代表の西田淳一さんが手がける果物畑には、なんとも言えない幸せな雰囲気があふれています。一般的な果樹園は雑草を刈り取るため下草がほとんどなく、画一的な風景ですが、「にしだ果樹園」の地面には多様な植物が、あたかも元々そこに自生していたかのように気持ち良さそうに育ち、蜂や蝶々がのどやかに行き交います。

「昆虫はうちの従業員と呼んでいるんです(笑)。クモも大事なんですよ。夜に寄ってくる蛾をつかまえてくれる。自然界には意味のないものは無いんですよね。何かを駆除するのではなく、あるべき自然の循環を園内に作れば、化学ホルモンや農薬を使用することなく、植物本来の力強い味わいの果物が育つんです」

西田さんは、学生時代には建築学を学びますが、安全・安心な農業への関心が高まり、25歳で実家に帰りお父様の跡を継いで農業を始めます。そんな中、「奇跡のりんご」の作農家である木村秋則さんと出会い、自然と共生する農法に開眼。「虫や月、そして太陽と対話しながら育つ果物って神秘的。そんなストーリーのある果物を育ててみたいと思いました」

建築を学んでいた時の知識も、循環農法を推し進める助けになりました。植物は、月の満ち欠けによってその組成を変えるという考え方です。

「奈良・東大寺は、“新月切り”と呼ばれる木材で建てられています。新月の時は、地球の重力が強まって、根の先端部にエネルギーが向かう作用が起こり、果樹の地上部分には最低限のエッセンスのみが残ることで、新月のときに切った木は天然の防腐剤を内在するという作用で『数百年もつ』と言われているんです。逆に、満月の時は昆虫の産卵期でもあり、昆虫たちも樹体に寄生したり産卵したりしようとします。この時期に樹体内部では地上部にエネルギーが集まり、香りを強めることで昆虫たちから自らを防御します。この作用が香りの強い果実を収穫できるタイミングとなるのです。これらの月と植物たちの作用を尊重し、例えば新月の時にとれたレモンは保存本能が高くジャム等の加工品に向き、満月の時にとれた香り高いレモンは生でジュースやカクテルに入れるとダイレクトにパワーをもらえる。果物って、月や太陽と言葉を交わすことが出来るものなんですよ」と、少年のように目を輝かせながら語る西田さん。

年間を通して“奇跡の果実”を栽培する農園からは、桃やレモン、キウイ、柿などさまざまな「月読み果実」が届く予定。天体のエネルギーをとじ込めたフルーツで、パワーをチャージしてください。

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