食材生産者ご紹介・器紹介・生産者を訪ねる

大分県日田市大山 梅酒蔵おおやま ~生産者さんを訪ねる その8~

2019年10月8日
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梅畑が広がる風景が続く。producer_08_4849
今回は九州有数の梅産地 大分県日田市大山町株式会社おおやま夢工房が営む「梅酒蔵おおやま」に伺った。producer_08_4825
ここは、ニッカウヰスキーと共に造ったリキュール工場&ショップだ。producer_08_4684producer_08_4695producer_08_4700
しゃれたお店の中には、「或る列車」「ななつ星」や大手航空会社で出すプレシャスな本格梅酒「ゆめひびき」「梅花爛漫プレミアム」やかぼす梅酒、ブルーベリー梅酒といったブレンド梅酒まで多種多様の梅酒を置いている。
広々としたお店は、梅酒を販売するだけでなく、梅酒工場見学、約10種類の梅酒を試飲できるコーナー、My 梅酒作り体験と梅酒に関するあれこれを体験できる場所になっている。さっそく、梅酒製造の顧問、手嶋さんにお話を伺う。producer_08_4857
「ここはクオリティの高い梅が採れます。なので、私たちの仕事は素材のよさを最大限に引き出すことです。約30軒の契約農家さんで栽培された梅を使いますが、約半世紀のノウハウと有機肥料を使った健康な土作りから作られるので梅は最高級。それを朝収穫したら、その日のうちに漬け込みます。producer_08_ume004
これは産地だからこそできること。あとは梅の良さを生かす純度の高いアルコールと砂糖しか使いません。」
究極にシンプルでごまかしのきかない梅酒。そして、もともとニッカウヰスキーでウイスキーを造っていた手嶋さんは、千年の歴史のある「鶯宿梅」を梅酒にし、それを3年熟成。さらにウィスキー樽で再熟成を重ねた梅酒を作り上げた。
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この「ゆめひびき」は、ベルギーに本拠を置くiTQi(国際味覚審査機構)の味覚の専門家たちによって優秀味覚賞をとったほど評価が高い。手嶋さんは、木樽から直接汲取ったゆめひびき原酒をテイスティングさせてくださった。わ、美味しい!何層ものコクがあり、ほのかに樽の香りを感じる今までに味わったことのない梅酒。極上のリキュールである。
感動も冷めぬうちに、梅酒作り体験をさせていただく。producer_08_4783
今は梅の収穫期ではないが、収穫した青梅は冷凍保存しているので、随時梅酒作りはできるのだ。
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先生はここの出身で梅を熟知した山本さん。好みに合わせて様々な梅酒作りのレシピを作って指導してくださる。私には、南高梅に熟成した南高梅のピューレを加えたにごり梅酒。糖分は、氷砂糖6:蜂蜜4という割合。アルコールは梅酒用清酒を使ったレシピを考えてくださる。producer_08_4777
「昔は梅酒を作る梅は鶯宿梅と決まっていました。鶯宿梅は酸味があり、皮がしっかりしている。南高梅はまろやかで皮が柔らかい。それぞれの特性を生かして好みで使ってください。」そして、「梅の実は、1晩水に漬けてアク抜きするというでしょ。それ、必要ないです。」というのと、「梅の実のおへそを取ると作り方に出ていますが、それも必要ないです。そのまま漬けて大丈夫なんですよ。」と目からウロコの発言が!そのほうが全然簡単!来年からはそうしようっと思った。producer_08_4844
保存ビンに詰めた梅酒は時々揺らして糖分が均等になるようにし、半年くらい寝かせればできあがり。そのまま長く熟成させれば、よりまろやかな味になるが、1年くらいたったら中の梅を取り出して置く。漬けて2~3年が飲み頃だそうだ。
こちらのショップでは、各種の梅酒のほかに、完熟させた南高梅を絞ったピューレ入りのジュース「樹上完熟梅飲料ビブラート」や梅干しなども販売している。producer_08_4754
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梅ビブラートはシャンパーニュと割ったら、梅ベリーニになりそう。梅酒好きで梅好きなので、またもやお買い物でずっしりの荷物になってしまった。さらに素晴らしい「奥日田温泉うめひびき」という高級温泉宿も隣接しており、次回はここに宿泊したいと心に誓う(笑)。producer_08_4855
「或る列車」では、三年熟成原酒と樽仕込み梅酒をブレンドした「梅花爛漫プレミアム」がいただける。樽香と梅の香りを両立させた濃厚かつ、きれいな味わい。ぜひオンザロックで飲んでください。producer_08_4715