長年、試行錯誤して、完成した農法で作る世界一のプリンセスほおずき
熊本県・上田農園
~生産者さんを訪ねる その18~

2020.4.3

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上田さんのお宅に伺ったら、肥後チャボが庭で数羽、楽しげにエサをついばみ、歩き回っていた。小ぶりでカラフルなチャボは今や希少な鶏だが、お嬢さんのペットだそうだ。この卵はとても味が濃くて美味しいという。
話がそれてしまったが、上田さんはもう数十年も前からあらゆる農薬、肥料などを一切使わない農業をやってきた筋金入りの人である。
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その人が作るほおずきは、大きくて立派で美しく、絶品の味だという。
上田さんにお話を聞く。
「ほおずきは、10年ほど前に2、3本植えるところから育てはじめました。ほおずきには食用と観賞用がありますが、私が作るのは食用です。最初は苦味が出て、美味しくなかった。それで出来のいいものを選んで改良していくうちに、大きさは2倍、味は甘くて美味しいほおずきができるようになりました。さぁ、この熟した実を食べてみてください。」と言ってもいでくださった。
ガクを開くと、丸くて大きいオレンジ色の果実が出てきた。なんて大きいのだろう。ピンポン球みたいだ。プチトマトより大きくて、しかも甘酸っぱい香りが鼻をくすぐる。

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南国のマンゴーのように甘い官能的な香りだ。
ガクをむいて、そのまま食べてください、と言われていただく。
果実はねっとりして、甘さも酸味もある味わい。種を感じることもなくなめらかで、果肉がたっぷり。とてもジューシーだ。
本当に美味しい!こんな食用ほおずきは食べたことがない。
生のまま、また、サラダや肉料理の付け合わせにしてもいいとのことだが、もったいなくてそのままいただきたい。
なんでこんなにすごいほおずきが作れるのだろう?
それは、上田さんのこだわりの農法にある。
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「農薬や化学肥料を使った土は、栄養過多で病気になっている。そこで育った作物を食べることは、化学肥料を食べているようなもんです。私も昔は農薬も化学肥料も使っていたけれど、全身で農薬を浴びたら身体をやられると思って減らすようになりました。それからもう何十年も、農薬や化学肥料は一切使っていない。そうやって身体で実感しながら作ってきたから、わかるんです。
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一番大事なのは、土作り。ほおずきは傷つきやすいからハウス栽培だけど、ハウスの中に自然の持つ力を再現することを考えた。具体的には、肥沃な河川敷に生えている草を土に漉き込んだ堆肥を使ったんです。こうしたら、自然に育ったような力強いほおずきができた。
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土をバランスがあるように保つことが大事。たとえば、日本の土壌には圧倒的にミネラルが少ない。化学肥料を使ったら、なおさらミネラルは不足してしまう。そこでミネラルの効果が出るように土壌を改良したら、さらにいいものができたんです。」
植物は一生動かずにいるから、生えているそこで快適な環境を作ってやればいいのだと上田さん。
しかし、自分の土作りは果たして正解なのか?それを知りたくて、ベルギーのiTQi(国際味覚審査機構)のコンテストに、プリンセスほおずきを出品した。
ほおずきは2016、2017、2018年と3年連続で優秀味覚賞の最高評価「三つ星」に輝き、最高峰の証である「クリスタルアワード」を受賞した。土作りは正解、というお墨付きを世界レベルで認められたのだった。
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上田さんは、ほおずきの他には米、スナップエンドウを主に作っている。
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同じくキンカンもハウス栽培で作っているが、甘味と酸味のバランスがよくてこれまたとても美味しい。
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現在600本くらい植えているほおずきのハウスの隣には麦畑が広がる。麦は土壌をよくしてくれるから育てているそうだ。
こうして上田さんは常に学び続け、チャレンジし続けて、世界に誇るほおずきを作っている。土を元気に、バランスあるものに保つ。これを心がけてきた彼の農法は、独特の工夫をいくつも重ねた末に編み出されたものだ。
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「或る列車」のスィーツには、薄く透けるシフォンのようなガクをまとったプリンセスほおずきが登場する。繊細で唯一無二の香りと味わいだ。3月〜5月が一番美味しいので、お楽しみに!
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